私、今教室をしていても、どこか不安なんです。
自分のレッスンが正しいのかもよくわからなくて。
さろ恵さんは、教室をしていて、「楽しい」とか「幸せだな~」って感じることはある?
そうですね…生徒さんとおしゃべりしてるときは楽しいかな…
でも、生徒さんはレッスンに満足してくれているのか?ってたまに心配になります。
せっかく資格を取って教室を開いたのに、大変なこと・不安なことばかりで、何となくつらいって人は意外に多いのではないでしょうか?
仕事だし、仕方ない…って我慢しているのかもしれませんが、実は、先生自身が楽しんでいることってかなり大事なことなのですよ。
今回は「先生自身が教室運営を楽しめていること」の大切さについてお話してみようと思います。
人は元気な人といると元気になれるもの
質問です。
あなたは、
にこにこしている人
と
不安そうにしている人
どちらの人と一緒にいたいですか?
それは…やっぱり楽しそうにしている人ですね。
そうですよね。楽しそうな人と一緒にいた方が気持ちよいですよね。
(不安そうにしている人がいれば、力づけてあげたいと思うかもしれませんが、ほどほどにして引き上げないと、自分まで気がめいってきたりしてしまいますよね。)
人は誰でも、できたら自分にとってプラスになる人と一緒にいたいもの。
さらに、教えを乞うのであれば、さらにそう人にお願いしたいと思うもの。
逆の立場になって考えてみれば簡単にわかりますよね。
だから本来、あなたは自信に満ちて、生き生きとしていなくてはならないはずなのです。
生徒さんがあなたの教室に来ている理由は?
ここでもう一つ質問です。
あなたの教室に通ってきてくれている生徒さん。
その人は何のためにそこに来ていますか?
もちろん、フラワーアレンジメントを習いに来ています
ですよね。
つまりあなたを”自分より技術のある先生だ”という認識のもと、そこに来ているわけです。
逆に、あなたはその生徒さんより技術的に劣っているのですか?
そんなことはないはずです。
私、資格を取るために2年間がんばりました。
そうですよね。
じゃあ、どこからどう見ても、誰から見ても、先生として教室を開いているあなたは生徒さんより技術があるわけだから、何かしら学んでもらえることがあるはずでよね。
「技術がないのか?」と聞かれたら、誰しもが「そんなことはない」と言い返したくなるはずです。
だって、みなさんお花が好きでたくさんの人にその楽しさを教えてあげたくて、先生になろうとがんばってきましたよね。
その志と時間とがんばりは、確かに”そこ”にありました。
でも、それは形としてあるものではなくて、記憶として、技術として、あなたの中にあるものだから、目に見えません。
見えないものを信頼するって難しいことですから、見えない経験や技術に自信を持つって本当に難しいことですよね。
だから人は、自信をもつための根拠を外の世界に求めてしまいがちになります。
「誰かに褒められた」「何かで受賞した」
そういう外側から与えられる形あるもの、実感できるものがないと、人は不安なままになってしまいます。
じゃあ、何に対する不安なの?と言えば、おそらく「相手が求めているもののレベルに達していないのじゃないか?」ってことですよね。
生徒さんが求めているものではなく、自分が与えられるものを与えよう
では、生徒さんが求めているもののレベルってどのぐらいでしょうか?
それがわからないから、私のレッスンに何か足りないものがあるのではないか?
不満を感じているのではないか?って不安になるのです。
では、どうしたら”生徒さんが求めていること”がわかると思いますか?
本人に質問してみますか?
実はですね。たとえ勇気をもって本人に質問したとしても、明確な答えは返ってこない思います。
だってね。相手は経験豊富なわけではないので、フラワーアレンジメントのことを知り尽くしているわけではないのです。
それを知らない以上、自分が何を知りたいのか?どうなったら満足できるのか?なんておそらくわかりません。
漠然としたものがもやっとあって、確かなのは今の自分の実力に不満があるってことだけです。
つまり、その漠然としたもやっとしたものの正体を知りたい。そして今の自分より上手になったと感じたい。おそらくそれが生徒さんの願いです。
それに対して先生としてのあなたができることってなんでしょう。
それは自分が知っていることをできるだけ生徒さんにわかりやすく伝え、一緒にその漠然とした不満の正体を探ることです。
つまり、生徒さんが望んでいることに応える、のではなくて、自分が与えてあげられることを精いっぱい与える。それがあなたがするべきことなのです。
だって、あなたの教えてくれるあなたの教室を、生徒さんが自ら選んで通ってきてくれているのですから。
あなたが与えてくれること、つまりあなたのサービスを受けたくて教室に来ているってことです。
不安は暇から生まれる説
不安は暇だから(…というと失礼な感じですが(-_-;)、時間があるから生まれる、という説があります。
(疲れているときもあると思うのですが)
なので、不安になっている時間があったら、
その生徒さんが今ぶつかっている問題って何だろう?
それを乗り越えてもらえる方法って何があるのだろう?
などなど、生徒さんにしてあげられることをひたすら考えましょう。
教えるって、これが正解ってことはないと思うのです。
今目の前にいる生徒さんが、今困っていることに、しっかり向き合う。
それをただ一生懸命する行為こそ、先生の役割なのじゃないかな、と私は思います。
そうですよね。
まだまだ私が生徒さんに教えてあげたいこと、たくさんあります。
ただそのことだけにまっすぐ向き合えばいいんですね。
なんだかこころが楽になりました。そして、なんだかワクワクしてきました。
そう。次はこんな方法を使って教えてみようかな。
なんて新しい説明の仕方とか道具とか考えていたら、不安になる時間なんてなくなって、前向きな気持ちになれるはずです。
その前に向かう気持ちが、教室の良い空気を作ります。
良い空気の流れる教室は、きっと生徒さんにとって居心地が良いはずです。
そうなると、生徒さんは自然に集まってくるものなのです。
そういう教室を作っていきませんか?