「自由に楽しむレッスン」をしているのですが、いつも同じような作風になってしまう生徒さんがいらっしゃいます。
そんな方にどんな声掛けをすればいいですか?
フリースタイルレッスンだと、生徒さんはそうなりがちですよね。
まずは何もしないでください。
私的には、生徒さんご自身が「好き」「心地よい」と思う作品を作り、出来上がったものを見て、自分が満足できるようになることが、お花の教室の理想の姿だと思っています。
(本当の意味での「自由」、「きっと正解はこうに違いない」「こうすべき」という思い込みから解放されたうえで、が条件ではありますが)
ですが、どうしてもデザインの引き出しが少ない状態だと、自分で選べる選択肢ってどうしても少ないので、作品がワンパターンになりがちです。
そういう時に、あなた先生としてはどうしていますか?
まずは我慢して見守りましょう
もしかしたら、一歩離れた目で見ている先生からすれば、完成まで行かないうちから「あ。今回も同じ作風になってる…」ってわかることもあるかもしれません。
そんな時には「どうしよう。何か言ってあげるべき?」「違うパターンへ行けるように声掛けすべき?」って悩むかもしれません。
ですが、そこは我慢して見守りましょう、というのが私からのアドバイスです。
なぜかと言えば、先生からみれば同じ作風だってわかったとしても、生徒さんのレベルでは分かっていないことが多いです。
自分では見えないものを指摘されでも、本人はピンときません。
よくわからないことを指摘されると、「自分はダメなんだ」と思ってしまいかねません。
これまで見てきた経験から言って、必ず本人が「あ。私いつも同じパターンになってしまう」ってわかるときがきます。
そのタイミングを待ってあげましょう。
ただし、ですが、毎回、レッスン終了時には自分の作品に満足しているか?という問いをかけたり、レッスン中の生徒さんの表情をきちんとチェックしてくださいね。
お顔が曇っている様子が見えたなら、「何か気になることがありますか?」って聞いてあげてください。
それと、生徒さんのレッスンごとの様子はきちんと記録しておくことも忘れずに。
本人が自分のデザイン飽きてきたら
本人の口から、「いつも同じになっちゃう」とか「お隣の○○さんみたいなのが創りたいのに」などのような言葉が聞かれたら、スーパーチャンスです。
「いつも同じになってしまうのは、ただただ新しいデザインの引き出しが少ないことと、それを表現する技術を知らないだけです」
と伝えてあげましょう。
決してセンスがないわけでも、下手なわけではなくて、ただ知らないだけだと伝えられるといいですね。
「そろそろデザインの引き出しを増やしてみますか?」と言って、少しだけ負荷をかけるレッスンの提案をしてみましょう。
そうすると、追加のレクチャー付きのレッスンに誘導できるし、ご本人も「学び」という刺激がえられて、先生も生徒さんもhappyな状態になれます。
生徒さん自身が気づくから受け入れてもらえる
子供が転ぶ前に「転ぶよ」と言ってあげたくなりますが、実際に転ばないと「気をつける」ということは身につきませんよね。
それと同じです。
必要性を感じて初めて、人はその事実を受け入れ、解決したいという前向きな気持ちは生まれます。
もうすでにその先がわかっている身としては、もどかしかったり、どうしようって思ってしまったりするかもしれません。
そこはぐっと我慢して、どーんと構えて、しっかり様子をうかがってください。
ただし、自分の限界=やめるになってしまう前に、まだ漠然としているもののお悩みを抱えていることに気づき、フォローをしっかりすることが大切なのです。
ワンパターンな作品になってしまう生徒さんに対してどうする? まとめ
勝手に先回りして「どうしよう」って悩む必要はないのです。
問題が見えているのは、プロである先生だけですから。
どーんと構えて、必要な時に必要なサポートをするって難しいことですが、経験を積んで行って、痒い所に手が届く先生になってくださいね。
確かに転ぶ前に手を打たなきゃ!って焦ってました。
ご本人は何もおっしゃってないし、楽しそうにやっていらっしゃるのに。
ご本人が気づくまで待ってあげる、それまで様子を見守る、それが先生としての仕事なのですね。