最近、生徒さんがはっ!と思うような、よい作品を作られたりするのです。
そんな時、なぜか「どうしよう」という焦りみたいな気持ちがわくんです。
それはすばらしいことですね。
えっ。すばらしいことなのですか???
上手になってほしくていろいろと教えてきた生徒さんが、とても上手に作品を仕上げられた。
それってその生徒さんが上達したってことなので、本来は喜ばしいはず。
あなたが第三者なら、「よかったねー」とか声をかけるような出来事ですよね。
では当事者だったら。あなたはどんな思いがめぐりますか?
生徒さんの成長=喜びではなく、なんとなくもやもやっと「どうしよう」っていう気持ちになってしまうことがあるあなたのために、こんな時の感情の処理法についてお話しますね。
「どうしよう」という気持ちの正体を知る
まずは、その「どうしよう」の気持ちが何からくるのだろう?って考えてみましょう。
おそらく「不安」だと思います。
「いやいやいやそういうことじゃなくて…」なんて言わないでください。
いつでもどんな時でもそうなのですが、感情とか不安って自然にわいてくるもの。
“湧いてきた”っていう事実がある以上、その感情は確かにあなたの中に「ある」のです。
「気にしない」とか「きっと違う」とか自分を落ち着かせるつもりで、ごまかしてしまう人が多いと思います。
でも、”ある”ものは”ある”のです。
まずはそれを認めて、「あ。私不安なんだ」と認めて、「不安でつらいんだね」と自分で自分をよしよししてあげましょう。
「不安」に感じる理由を考えてみよう
次に、あなたのその不安がどこから来るのか考えてみましょう。
生徒さんが上手になった→不安
の次ですね。
おそらくですが、2つぐらいパターンがあるのではないかと思います。
生徒さんが自分より上手に見えた
↓
1. 先生より生徒さんが上手なのはまずい
または
2. 私より上手ということはやめてしまうのではないか?
のどちらか、はたまた両方だと思います。
一つずつ見てみましょう。
先生より生徒さんが上手なのはまずいという焦りは本当?
少し考えてみてください。
その方の作品を見て、「私より上手だ」と感じたのはこれまで何度ありますか?
毎回そう感じるならともかく、それほど頻繁でないのでしたら…それは偶然の産物だったかもしれません。
お花の世界って奥が深いですよね。
お花には二つとして同じものがなくて、同じデザインを明日もできるか?と言ったら、たぶんできない。
今この瞬間、そのお花たちと出会ったからできたもの。
先生をしている経験を積んだ人だからこそ、それなりにきれいに仕上げることができる”確率”が断然高いってことなんです。
その生徒さんは、その日、自分好みのお花たちに出会って、うれしくてデザインしてたらこうなった、が真実なのだと思います。
まずは自分に自信を持ってください。
あなたがこれまで出会ったお花たちの数、種類。
作り上げた作品の数、見てきた作品の数。
その経験と体験、それから得た学びは宝物で、あなたの財産です。
私より上手になったら教室をやめてしまうのではないかという不安
自分を超えた?と感じる作品を生徒さんが作ったら…もう満足してやめてしまうんじゃないか?とか、これ以上教えることがない…という心配が、心にムクムクって湧くことがありますか?
もしその生徒さんが「もういいかな…」と感じているとしたら…あきらめましょう。
人の心は他人にはどうすることもできませんから。
もし自分を超えたのだとしたら、もっと自分よりレベルが上の人のところで習ったほうがいい、とある意味降参してください。
教える人と習う人。
それぞれにレベルがありますよね?
初心者なら初心者にわかりやすく、初心者の気持ちを理解してくれる人に教えてほしいもの。
中級者なら、その上のレベルのことを知っていて教えてくれる人がいいわけです。
あなたはどのレベルの生徒さんが一番得意ですか?
「お花って楽しい」ってまず知ってほしい?
お花の世界の奥深さを知ってほしい?
お花の先生を育てたい? …などなど。
あなたの思いはどういうものですか?
その思いとあなたのレベルを考えて、求める生徒さん像を定めてください。
それを超えた生徒さんがいたら、その上のレベルの先生にお渡ししましょう。
そこまで育てたのは、間違いなくあなた。
そのレベルまで上げるプロのあなたがいたから、その生徒さんがそこまでたどり着けたのです。
自分をほめてあげてください。
生徒さんの成長は自分の成果でもある まとめ
お花の世界ってそこがあいまいだなーと思うのですが、デザインがうまい=先生としてレベルが高いわけではないのです。
その道のプロが指導者になれるわけではない、ということはなんとなくわかっていても、デザインというあいまいな世界だからこそ、不安が起こるのかもしれません。
不安は起きてもいい。けど、それを受け止めたら、先生としての自分を認めてくださいね。
生徒さんの成長は、あなたの先生としての成果です。
そのまま喜んでいいのです。
その生徒さんがやめてしまった=生徒さんが一人減ってしまったとしても、きちんと結果が出せる先生としての例が一つ生まれたわけです。
そんな先生なら習ってみたい! ってどんどん生徒さんが集まるはずですから。
確かにフラワーデザインって奥が深くて、なかなか自分の満足にたどり着くのって難しい世界ですよね。
そんな簡単にいかないよ~って気持ち、忘れてしまいがちだった気がします。