コロナという大きな社会的現象が起きてから、様々なものがオンライン化されてきました。
さらに、「オンラインで簡単!に〇ヶ月で先生に」という売り文句を見かけることが増え、私的にはものすごく違和感を感じています。
私的には、お花の世界もオンラインでは難しいと思う習い事の一つ。
果たして、「〇ヶ月で先生」というのは可能なのでしょうか?
しかもそれがオンラインだけで完結って本当にできるものでしょうか?
今回はそのあたりについて、じっくり考えてみたいと思います。
数か月でお花の先生になれるもの?-なることはできます
数か月でお花の先生になれるかどうか?と聞かれたら、「なることはできる」と答えるのが正解かな、と思います。
だってね。
お花の先生って資格が必要なわけではないので、本人が「今日から私はお花の先生です!」と言ったら、そうなんですよ。
技術があろうとなかろうと、教える方法を知らないとしても、本人が言い切ってしまえばそうではありますよね。
だから、なれるといえばなれるです。
実際に、超短期でフラワーアレンジメントを学べるところで学び、技術が全くなくても「先生」を名乗っている人を見かけたことがあります。
レッスンの様子をブログにあげているのですが、その作品を見ると、全く基本はわかっていない様子ですが、格安でレッスンをしているせいか、たくさんの生徒さんがいるっぽいです。
今これを読んでいるあなたにとって「先生」ってどんな人という定義でしょうか?
わかりやすく言い換えると、あなたは自分がどういう状態になったら「先生」と胸を張って言えると思いますか?
おそらく「自信をもって生徒さんに教えられる人」だと思います。
そういう意味でいうと、数か月でその域に達するのは、やっぱり難しい人が多いのではないかと思います。
私が経験した1日で○○の講師になれる!講座の話
実は私も、1日で講師になれるという講座に参加したことがあります。ふふふ。
とあるクラフト系のもの。
1日かけて作り方を習い、講座開催時に準備すること、準備するものを教えてもらい、講座の進め方を教えていただきました。
その教室での認定証をいただき、さぁ、いよいよ私も先生です!
となったと思います?
ならなかったですねぇ。
それはそうですよ。
自分一人で作品を一つ作るのもやっとなのに、人に自信を持って教えるなんて…できるはずがありません。
それができる人もたくさんいるのでしょうけど、自信がないことを人に伝えてお金をいただくことが、私には相手をだましているような気がしてしまって、できませんでした。
これはあくまで私がそういう価値観の人間である、という話なだけであって、そうではない人もたくさんいらっしゃると思いますけど。
「教えられる」というには本質を知り「応用力がある」域まで達しないと厳しい
では、自信をもって、生徒さんに教えられるレベルってどういうレベルでしょうか?
それはその技術にある、本質的なものを理解している、ということな気がします。
お花の世界でいえば、どうして人はうまくなれないのか?について、自分の体験なども通してわかっていたり、お花を素敵なデザインするために必要な知識やテクニックなどを知っているコトですね。
それがあって初めて、自分の発想力を使って作品が作れたりするという、応用力がつくのだと思います。
お勉強と一緒です。
公式などを使いこなす基本の計算問題が解けるようになってから、応用問題が解けるようになりますよね。
それと一緒で本質を知って、応用力がついたレベルまで達することができたなら、もう「教える」という世界に足を踏み入れてももいいのではないかと思います。
そういった点を総合的に考えると、お花の世界においては「オンラインで」「短期で」というのは難しいのではないかと考えます。
というのも、やっぱり立体物であるお花を平面の世界だけで、本質まで理解するのは無理な気がするからです。
「オンラインで」「短期で」先生! という講座は、よくよく中身を見ると、決まったカリキュラム=自分が習うものを、そのまま生徒さんに教えるもの、なことが多いようです。
それならできるかもしれませんね。
ただし。
そんな決まったことしか伝えられない「お花の先生」って「お花の先生」なのでしょうか…
その答えについては、あなたがどう感じるか?にお任せします。
「先生」「講師」をどうとらえるか?
結局は「先生」にどのぐらいでなれるか?ということは、自分がなりたい「先生」像がどういうものか?とか、自分に自信が持てるか?とか依存するものなのだと思います。
経験がなくても「先生です」と言えてしまう人もいますし、何年学んでいても「私にはまだ無理だ」という人もいるわけです。
フラワーデザインの世界の話でいうと、正直数か月では一般的なフラワーデザインの先生としては難しいかな、と思います。
ただ、「フラワーデザインができること」と「教えられること」は全く別物です。
フラワーデザインの力って、ずっと学びづけるものだと思っていますから、それは先生になろうとも学びは続けていくべきだと思います。
その一方で、「教える」技術というのは、やっぱり経験がものを言います。
できるだけたくさんの生徒さんと触れ合い、しっかりと観察して、ヒアリングして、技術を上げていくしか道はありません。
なので、ある程度、フラワーデザインにとって大切なことが分かったのなら、教える世界に足を踏み入れてみてほしいのです。
怖がらず、まずは生徒さんに協力してもらう気持ちでチャレンジしてみてください。
ちなみにですが、いきなり教えるのはどうしていいかわからない。。。のであれば、そこまでの近道として、「花教室の学校」を利用するのも手ですよ。