私、センスないんです。
体験レッスンに来てくださった方からそんな悲しい言葉をよく耳にします。
ですが、実際にお花と触れ合ってもらうと、全然そんなことはない。
むしろに上手だったりするのです。
そんな時に私がかける言葉があります。
「あなたは感性がスルドイ方なのですね」
決して盛り上げて元気づけようとか、励ましておこうとかそういう気持ちでいっているのではありません。
「感性がスルドイから自信がなくなる」
これは私が「自分に自信がないのはなぜか?」について考え続けた結果、最近出た結論(笑)で、たぶん当たってると思うのです。
ただーし、トラウマとか育ち方とかにこれと言って大きな問題がなさそうな場合に限ります。
感性がスルドイ人は「満足!」「これでいい完璧! 」の到達ポイントが高いところにある。だからなかなか満たされることがないのだ
水が沸騰するポイントが沸点で、氷が溶けだすポイントが融点ですよね?
それと同じように、人がここで満足! と感じるポイントがあります。
そして、そのポイントは人によって高かったり、低かったりするわけです。
また、それは大体が生まれつき持っている感性であり、磨くことはできても衰えさせるのは至難の業なのです。
いい加減な人にまじめにやりなさい! というのは簡単だけど、生真面目な人にいい加減になれっていうのは難しいのと同じ感じです。
そのスルドさが外に向けば、いろいろなことが不快に感じていきづらかったりします。
あ、言い方が難しいですね。
例えば味覚。
生まれつき舌が敏感であれば、ものの味をしっかりキャッチできるし、味のジャッジもできてしまう。なので、グルメランキング~的なものの評価と自分の評価は合致しなかったりします。
それが良い方向に向けばウンチクが語れるとかになるのかもしれませんが、どんなに忙しくて疲れていても、総菜続きは無理、なんてこともあるのです。
また別のわかりやすい例でいうと、触覚もそうですよね。
触り心地に敏感な人は、それこそ洋服のタグも嫌だったり、縫い目も嫌だったり。
外のものに対する感性の鋭さは、不快や若干の苦痛を伴うものの、それから逃れることは可能なのでまだよいと思うのですが、これが内側に、そう自分自身に向くと別の苦しみが生まれるのです。
(そういえば、外に向く鋭さは「わがまま」とか「細かい」と言われてしまうという悲しいパターンもありますね(-_-;))
バランスに対する感性の鋭さが自分に向くと・・・自信はどんどんなくなっていきます
「感性がスルドイ」の「感性」にもいろいろあって、人によってどこがスルドイかは違うと思うのですが、「バランス」に対する感性がスルドイ人って、自信がなくなる傾向があります。
例えば、お洋服。
道を歩いていれば、「なんかあの人、バランス悪いかも」とか感じたりします。
が、かといって、自分の着ているものに自信があるわけですないのです。
いや、むしろ全然自信がないのです。
出かける時に、鏡の前で「ああでもないこうでもない」「なにかおかしい」といくら着替えてみても、どうにもおかしい気がしてしまい、しまいには出かけるのが億劫になったりします。
で、その自信のない服装を他の人が見たらおかしいかというと、本人が思うほど変ではなかったりするわけです。むしろほめられちゃったり。
でも、決してそのほめ言葉が自信に結び付くことはないんですよね。
だって、自分から見たら絶対素敵じゃない。
そう、「頭の中に無意識に描けてしまう漠然とした理想的バランス」と「自分で再現できる力」がイコールではないから、満足までは到底たどり着かないのです。
「もともと自分の頭に描いているもののレベルが高い」ってことにはなかなか気づけないので、「私はダメだ~センスない」とどんどん自信を失ってしまうのです。
お花も美のバランスに対する感性が鋭ければ鋭いほどセンスがないって感じてしまうのです
これが、お花の世界でも当てはまるのです。
例えば、雑誌の素敵なインテリア特集で、
「ジャムの空き瓶にちょこっと挿しただけで、あら素敵♡」的な花飾りが載っていたりします。
素敵~☆私もやってみよう~ (*^^*)/
なんて経験ありますよね?
やってみた結果、どうでした?
「おっ。なかなかいいじゃん☆」って思えました?
それとも、「何かが違う。どこかおかしい」と感じましたか?
後者の人はバランスに対する感性がスルドイ人です。
おそらく私ってセンスないわ(涙)なんて思っていませんか?
おそらくあなたの潜在意識の中には、理想的なバランスの作品像がこっそりと眠っているのです。
あなたの今持っている知識や技術では、それを再現できないだけなのです。
じゃあ、感性が鋭いことが原因で自信がなくなっちゃった人はどうすればいいの?
100歩譲って、私の自信のなさが感性がスルドイことによるものだとしましょう。
だとしたらどうすればいいわけ?
そう思いますよね~
ジャンルによって違うとは思うのですが、「学ぶ」ことで自分の無意識の頭の中にある「得体のしれない高いたかーい理想の姿」を再現する知識や技術を手に入れることができるものがあります。
お花はその最たるものだと思います。
いつも同じことを言っているので恐縮ですが(-_-;)、お花は簡単に見えて本当に難しいものです。
身近な存在なゆえにその難しさに気づけないせいだと思うのですが、「みんな簡単にキレイにできている」と思われがちです。
でも、全く簡単じゃないのです。
自分の理想のカタチにまとめ上げるには、やっぱり相応の知識とか技術がいるのです。
フラワーアレンジメントの世界でも、「1か月でできちゃう」とか「3か月でマスター☆」とか最近よく見かけます。
否定はしませんが、感性がスルドイ方にはまったく向かないのでご注意くださいね。