宴会の装花を主に制作するホテルに配属されていたときのお話です。
その頃は、メインになるような大きなものも担当させてもらえるようになっていました。
ある日、いつものように一生懸命作り上げ、会場に設置。
最終チェックもしっかりして、一仕事終了。
ふと、後ろの方からは私の作品はどんな風に見えるのかな~と思い、大きな会場の一番後ろのちょっと高い場所へ行ってみました。
!?
自分の作品を見た瞬間、ものすごい衝撃が走りました。
私が作った装花は、遠く離れてみると全く違った姿に見え、作っているときに「こうなっているはず」と頭に思い描いていたデザインとは程遠いものだったのです。
この時から、私の制作するときの姿勢が大きく変わりました。
今回は、にこはながフラワーアレンジメントを作るときは大切なことの一つとして覚えてほしいこと、
「離れて確認」
についてお話したいと思います。
フラワーアレンジメントはインテリア。手芸の世界に入らないで。
お花ってかわいいですよね。
じーーーっと見てると、この部分のここがかわいくて・・・とワクワクしてしまいます。
お気に入りの花材であればあるほど、みなさんは魅惑の小さな世界に引き込まれていきます。
ここにこんな感じでいてほしいなぁ。
ちっちゃくてふわふわしてる。
こことここに顔を出してたらかわいくない?
「ここがこうなっててほしいなぁ~」とこだわって、「でもうまくここにいてくれない」とか「ここの方がかわいいかな」とか一生懸命移動させてみたりします。
でも・・・でもです。
さあ、離れてみてください。
実際におうちに持って帰って飾っているときは、まさしくこんな距離で見ることになるはず。
どうですか?
あなたが丹念に作りこんだ部分、見えますか?
見えないですよね。残念ながら。
フラワーアレンジメントは、刺しゅうなどの小さな世界で見て楽しむものではなく、あくまでインテリア。
お部屋に置いたときにどう見えるか?を一番に考えて作らなければならないのです。
持って帰ってお部屋に置く予定の場所の高さにおいて、遠く離れてみたときどう見えるか? をしっかり確認して作ることが大切なのです。
せっかくのかわいいお花。小さな世界に浸る時間もあってよし
なんかさみしいですね・・・
いえいえ。
お花に対する思いを詰め込んではいけない、というわけではないのです。
まずは軸となる部分、離れて見たときにも見える、作品を形作る基礎部分をまずはしっかり作ります。
作品から離れて、客観的な目でどう見えるか?を確認しながら進めていきましょう。
そこがしっかり固まれば、あとは小さな世界を思う存分楽しんでよいのです。
「みてみて。この小さな白いお花が一番好きなの~」
近くで見てもかわいい、は両立可能なのです。
そうなるとこれがここにあると邪魔だわ…
ちょっとまって!
そこは、さっき軸となる部分として固めたところ。
そこをいじってしまったら、デザインが大きく崩れてしまいますよ。
そうなのです。
小さな世界も夢中になりすぎるとだんだん大きな世界になってきて、気づけば、デザインの軸となる部分に大きな影響を及ぼしてしまうことも。
なので、小さな世界にはまりすぎず、引き続き、こまめに離れてみて客観的に確認! が大切なのです。
まとめ フラワーアレンジメントは離れてみる客観的な目が大切
お花はかわいいものですが、その可愛さに惑わされずにまずは大まかな配置でデザインの軸を固めましょう。
その時には、いったん離れて客観的な目で作品を見ることが大切です。
骨組みがしっかりしたら、かわいい世界に浸ってもOK。
ただし、夢中になりすぎないように、やっぱり離れて確認が大切です。