フラワーアレンジメント教室を運営している都合上(?)、私のインターネットの画面上の広告には、よく「フラワーアレンジメントの通信教育」というものが現れます(笑)
「おうちで〇か月で資格取得 !」
なんて書いてあると、
リーズナブルだし、短期でよいし。
これなら低コストで資格が手に入る!
習いに行くよりずっとお得かも。
なーんて思っちゃったりしますよね。
お花の世界に関わらず、自分一人でもできるもの(例えば、勉強だったり、何かを作ることだったり)は、「実際にどこかに行ってやる・習う」とそれなりの費用がかかるわけですから、一人でやった方が得では?と思いますよね。
つまり、習いに行くことによってかかる費用から、実際にかかる道具代や材料費を引いたものは、すべてそこの取り分であり、それを自分でやればコストカットできる!
と考えがちです。
でも、本当にレッスン料金や授業料から、必要経費を引いたものをそのままコストカットできるだけで、「一人で取り組むこと」と「どこかに習いに行くこと」はなんら変わらないのでしょうか?
今回は、「一人でもできないことはないもの」を「習いに行くこと」のメリットとは?について考えてみたいと思います。
「習いに行く」という契約がモチベーションになる
小さいころに誰でも経験したことがあるのではないでしょうか?
そう。お勉強の通信教育。
楽しげな付録につられて、どうしてもやりたい。
「ちゃんと一人でやれるの?」「もちろん!」
でも、その約束が守られることはまれですよね。
そうなのです。
「自分を管理する強い心を維持すること」は誰にとっても難しいことです。
「材料をそろえた、さあやるぞーー! 」と初日はわくわく手を出しますが、その後手つかず。の手芸グッズが菊池家では山のようにゴミ化しております。
「好きこそものの上手なれ」
とはよく言ったもので、本当に好きになったもの、もともと続いているものならがんばれるかもしれません。
でも、「学ばなければならないもの」「がんばって身に着けたいもの」というのは、
「努力」が必要であり、努力を続けるには高いモチベーションと強い心が必要なのです。
そこで「習いに行く」ということを決め、お金を払う、という行為をすると、新たなモチベーションが生まれます。
「せっかくお金を払ったんだから、それを回収しないともったいない」
「先生が待っているから休むわけにはいかない」
そういうことが、あなたを「学び」や「努力」に向き合わせてくれるのです。
「習いに行く」ことで一方的でない、双方向の学びができる
本を見れば書いてある。丁寧なテキストが付く。
確かに要領がよくて頭が良い方ならそれで十分かもしれません。
でも、本やテキストというのは、ある意味一方的なメッセージです。
「これならわかるだろう」という予測の下、最大公約数の書き方で提供されたもの。
あなたがその最大公約数の一人とは限りません。
その点、リアルに学び行けば、「わからない」という顔をしたり、言葉を発することによって、先生はあなたに合った説明やよりかみ砕いた表現をしてくれます。
時には、目に見える形で手本を示してくれたり、手取り足取りの体感覚で示してくれたり。
こうですよ→ここがわかりません→こういうことです→なるほど!
こういう双方向の学びができるのはリアルな教室ならではですよね。
そして、本などには載せられない、先生の奥義が聞けるというのもリアルのメリットです。
「習いに行く」ことでの人との関わりが新しい世界を開く
一人で学びと向き合っていると襲ってくるのは、孤独です。
一人ぼっちでさみしい、というだけではありません。
自分が今していることが本当にあっているのか?という不安に駆られる、ということです。
リアルな造形物の場合はなおさらです。
画像を送って採点と言っても、やはり3Dのものを2Dにして、正しくジャッジできるか?というと甚だ疑問です。
それと、通信の場合、できた時とそれに対する講評にタイムラグが生じてしまいがち。
遅れて返ってきたその言葉は、なんだかちょっと遠くに感じたりしますよね。
(通信教育でいうと、答案を出して返ってきた時には、どこでつまづいてできなかったのか?を忘れてしまっているという感覚です。)
実際に習いに行っていれば、作った瞬間に評価してもらえます。
ここはよい。ここは注意して。と。
どうして自分はこうしたのか? の気持ちがわかっている状態で耳に入るアドバイスは、確実にあなたの力になることでしょう。
また、リアルな教室ならではの他の生徒さんとの出会いも大きいもの。
自分以外の人の考えや作品に触れることは、あなたの全く気付いていなかった新しい扉が開かれるきっかけになるかもしれません。
「習いに行く」ことでしか得られないものがある。でも、習う場所選びは慎重に。
このように、「リアルに習いに行く」という行為は、プライスレスです。
支払う対価以上の価値がある、と私は思っています。
しかーし!
どこでもリアルならよし! というわけではありません。
中には、どうしても”お金のため”を第一に考えているところがあるのも確かです。
そういうつもりはないけれど、正直言って先生には向いていない人という方もいらっしゃいます。
なので、習いに行く先生選びは慎重にしましょう。
「近いから」とか「安いから」はたまた「口コミがいいから」「有名だから」なんて安易な方法で選択するのはやめましょう。
そこは時間や手間を惜しまず、自分で体験などをしてみて、
自分と価値観が合うか
親身になってくれそうな人柄か
相性がいいか
などをしっかり確認して、納得した上で通い始めましょう。
あなたに相性の合う場所で、よりよい学びができるとよいですね。