先日、ネットサーフィン(死語ですよね…)していたら、
お友達とフラワーアレンジメントの展示会を見に行ったのですが、そのお友達が「これは上手ねー」と言うのですが、私にはそうは見えませんでした。
フラワーアレンジメントの上手・下手ってどこに基準があるのですか?
という質問を見つけてしまいました。
さて。みなさんはどう思いますか?
今回はこの質問に対するにこはな的見解をお話してみたいと思います。
もしかしたら、あなたのフラワーアレンジメントに対する見方が変わるかもしれません。
あなたがリアルで目にするフラワーアレンジメントはプロの仕事
そもそもですが。
みなさまはリアルでフラワーアレンジメントの作品を見たことはありますか???
身近なところだとお花屋さんの店頭に置いてあるギフトアレンジメントですね。
大きな作品としては、ホテルなどにおいてある大きな作品(正しくはいけこみと言うのですが)は見たことがあるかもしれません。
あとは教室を探しているときのホームページとかブログかな。
そういうのを見て、頭に浮かぶ言葉って何ですか?
「これかわいい」とか「これが好きかも」とかではないですか?
上手!とか下手!とかではないと思います。
それはもしかしたら、「プロが作成したもの」という認識が前提にあるからかもしれません。
見ている作品はプロの作品
↓
上手なのは当たり前
↓
そのプロの作品をジャッジメントするなら、好きか嫌い
という事なのかもしれませんね。
プロのフラワーアレンジメント作品は職業的な目的で型にはめて作られている
実は、普段あなたが目にするフラワーアレンジメントは、職業的な意味、目的があるものになります。
つまり、それぞれの作品のスタイルには目的があるという事です。
お花屋さんにあるギフトフラワーなら、贈る花なので相手を喜ばせる目的があるので
- 運んでも崩れないこと
- 少ない花材で出来るだけ大きく見えること
- 華やかな色味であること
をまず第一に考えなければなりません。
なので、ぎゅぎゅっとした形がわかりやすいものが多いと思います。
ラウンドとかオーバルとかの装飾花の基本の形ですね。
ホテルなどの場合は、格の高さを表現したり、よりゴージャスな雰囲気を醸し出すという目的があるので、
- 空間の広さに応じたスケール感
- どの方向からゲストが見ても美しく見えるような四方見
(どの方向から見ても美しいが、ここと言ったキメ場所がない)
場所自体の素敵さもあり、圧倒される豪華さを感じることが多いですよね。
つまりこんな風に、場所や目的に応じた基本の形と言うものがあって、それに当てはめられているものが多いのです。
作品展に展示されるフラワーアレンジメントはアート作品
さて、今回見つけた冒頭の質問のように、あなたがもし、趣味の人たちが作った作品を見に行ったときに、抱く気持ちはどんなことでしょう?
「上手」「下手」かもしれませんね。
どうしてそんなことが起こるのでしょうか。
作品展に展示されている個人の作品と言うのは、ある意味アート作品になるわけです。
つまり、フラワーアレンジメントの基本の形の中に、その人個人の自由な感性も含まれているわけです。
そもそもがお花というものは、その瞬間までどんな形・色が手元に来るのか読めないので、本番の作品を作るにあたって出会った子たちがどんな子か?でどんな作品が生まれるのかが、変わってくる部分もあると思うんですよね。
しかもですよ。
作品展は1日で終わらず、数日間開催されているとしたら…
お花ってね。さりげなく茎とか顔の角度とか変わっちゃうことあるんですよー
つぼみだった子が咲き始めてしまったり…ね。生き物ですから。
だから、その時の状態でバランスを取っているってことは、作ったときが一番ベストな状態。なはずなのですよ。
そんなわけで、アートの世界だし、気まぐれなお花たちを相手にしているわけだから、そこに完璧なんてものはそもそも存在しないんですよねー。
もちろん実力不足な作品もあるかもしれませんけどね。
ですが、そこにあるのは「上手」「下手」のジャッジメントではなくて、見た人が「好きかどうか」のとても私的な感覚的なものであるはずなのです。
だから、冒頭の質問に出てくるお知り合いの方が口にした「上手」という言葉は、「私はこれが好き」と言う意味なのだと思います。
(知ったかぶりって可能性もありますが…)
なので、もしそういうシチュエーションになったときは、気にせず「そお?私はこっちの方が好きだなー」と言ってしまいましょう。
プロではない、私達のフラワーアレンジメントの完成形は「自分が好きか」だけ
今回の質問を通して伝えたかったことは、職業としての装飾花をデザインしているわけではない、ごく普通にお花を楽しみたい私たちにとっては、正解なんて存在しないってことなのです。
それでもどうしても正解を探している自分に気づいたら、「正解はないんだった―」とフラットな状態に戻ってみてください。
大事なのはその作品をあなたが好きかどうか。それだけです。
自分で作った作品も同じです。自分が好きならOKなのです。
まだ好きが分からない…のなら、お花とたくさん冒険してみてください。
たくさんの偶然の出会いであなたの引き出しがいっぱいになったら、きっと好きが見えてくると思いますよ。