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老ねこを看取って命が尽きる瞬間とはどんなものか?教えてもらえた話2-とらきちの場合

 

21年間一緒に暮らした愛猫を看取った経験シリーズ。
老ねこを看取って命が尽きる瞬間とはどんなものか?教えてもらえた話-とらきちの場合の続きです。

目次

皮下点滴で食欲モリモリ・・・からの異変はコッペパンな手に現れた

皮下点滴をしていてもだんだんと脱水が進み、点滴量も増えていきました。

それでも、本当に食欲が出て明らかに元気になっていました。人間さまの食卓にジャンプしてお肉get!に挑むほどに(笑)

なので、皮下点滴に迷いはありませんでした。

でも、ある時から点滴後のとらきちに変化が起きていることに気づきました。

点滴をすると皮下に水分がたまり、少しずつ吸収されて行ってなくなります。
ところがある時から手足にたまって残るように。

その時に実は私、ちょっと気づいてました。
とらきちの体はもう水分を吸収できなくなっているって。とらじの時も恐らくそうだったんです。
そのころから、なんとなく私の中で心の準備をし始めていました。


ほら。右手と左手、全然太さが違うでしょ。

食欲がだんだんと、確実になくなっていく…そして、ある日の皮下点滴の時に感じた不思議な感覚

点滴がきちんと吸収できなくなってきたころ、食欲ががくっと落ちてきました。

とらきちはもともとウェット派でした。
なので、なんとか食べてもらいたいと、18歳以上とか20歳以上のパウチ(あの頃は種類がなくて苦労しました)を買ってきては与え、残すから捨て~の繰り返しでした。

あまり食べてくれないので、最後は手に乗せて与えていました。
夜中でも、とらきちが起きてくると手にウェットフードをちょびっと乗せて、食べてくれると嬉しくて。

でもね。その量も日増しに減っていきました。
そのころになると、食べてくれるなら24時間スタンバイ、ほとんど寝れない毎日で私もヘロヘロでした。でも、ただかわいくて。かわいくて。

そのころは、皮下点滴も練習し、自宅で自分で行っていました。
何日に一回か皮下点滴をするのと、嫌がるとらきちのお口に薬を入れてあげるということが習慣になっていたのですが、ある日の夜ふと「もうやらなくてもいいんじゃないかな」そんなことが頭をよぎりました。

とらきちの姿には特に大きな変化はなかったので、どうしてそんな感覚になったのか今でも不思議です。

とらきちが虹の橋を渡ったのは次の日でした。

突然体に大きな変化が起きる-老衰って穏やかなんかじゃなかった

いつものようにあまり寝ずにいたのですが、気づいたら、とらきちの手も足も力が入らなくなっていました。

「にゃーん」と泣いたので、おトイレに連れて行きました。
まったく立てない足で一生懸命用を足していました。

これはとらじの時も全く一緒。

猫って生き物は亡きがらも美しくありたい生き物なのでしょうか。
最後まで自分の意志で出し切りたいって思うみたいです。

手足がヘロヘロになったのを見て、「ああ、ついにお別れが来たんだ」って思いました。

一晩中、むくんてしまった手をマッサージしながら寝姿を見ていました。

朝が近づくと、首を上げる筋肉もその営みをやめてしまったようで、全身が脱力していました。
ちょっとうとうとしては、「いる?」と私を見るんです。

「いるよー」「よかった」それを何度も繰り返しながら朝を迎えました。

朝になると子供たちがいつものように学校に出発します。

そんな騒がしい時間、まったく力が入らないはずのとらきちがいつものようにりりしい顔で娘の様子を見ていました。

その姿をみた私の母が「まだ大丈夫そうだよ。」というので、ずっと向かい合って寝ていたとらきちの体の向きを変えてあげてから、ちょっとうとうとしてしまいました。

それは本当に突然のことでした。

「うおーーん」

そんなうなり声のような叫び声のような声が耳に入り、私は慌てて飛び起きました。

でも、それは呼吸が止まり、最後に心臓が止まる瞬間の声だったのです。

その瞬間を見ていてあげることができなかった。

なんで寝ちゃったんだろう?

その瞬間、見ていてもらえなくて悲しかったんじゃないか? 

そんな気持ちが今でも残っています。

でも、逆にとらじのように、
「みんないつものように出かけて行った。ママも寝てる。よかった。」
そんなタイミングを見計らっていたような気もします。

老衰って、ものすごく穏やかなイメージがありますよね?
漫画とかで見ると、寝ているように・・・って。

実際は全然違う。そんな美しいものじゃない。

命を全うして終えるってことは、わりと壮絶でした。
生ききるっていう姿を見せてもらって、私の死に対する意識は180度変わったのでした。

 

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