もともと自分の中にあるデザイン力だけでフラワーアレンジメントをしていると、いつか「パターン化」という壁にぶち当たるというお話をしてました。
それを超えて、「もっとこうなりたい」を形にしたいあなたのために、今のあなたに必要なことについてお話しましょう。
デザインを学ぶ前にフラワーアレンジメントを作るときに必要なそもそもの基本を学ばなければならない
あまり教えている教室はないと思うのですが、実は、デザインを学ぶ前に知っておくべき基本があります。
それは、自分の作品の途中経過を客観的に見る目だったり、一つ一つのお花の曲がりとか向きなどを見極める目だったり、思ったところに思った角度でお花を入れるための手の動きだったり。
ある意味、本当に細かいことなのです。
この「基本的な事」は、研究熱心なにこはな講師・中村が一人一人の生徒さんと向き合って、どうしてこれができないのか? どこを見ているのか?など、プロになってしまった自分では気づけない、一般的な人ができない理由をとことん分析して蓄積してきたことなのです。
これらのことをきちんと身に着けていけば、デザイン力をつけていくために必要な基礎能力=肥沃な大地が出来上がります。
ここまでがにこはなの花こころマスターコースで言うところの「花はじめレッスン」で行われる内容です。
基本の”き”が身についたら、自分の中のパターン化したデザインを一度壊してしまいましょう
知識や目、所作が身についたら、今度はあなたの中の「こうあるべき」と染みついてしまっている、もともと持っているデザインを一度壊さなければなりません。
なぜかと言えば、そのデザインはあなたが心地いいと思うものであるわけです。
だから、無意識でそちらの方向に進んでしまうし、そうでないデザインを見た時は「不快」でさえあるでしょう。
だから、一度自分の中にある、奥深く刻まれている心地よいバランスを消し去る必要があるのです。
そのためには、フラットな心でお花の姿だけを見て挿す、という行為を繰り返すことが有効です。
ついつい「ここにあるべき」という無意識のデザインが邪魔をしてくるかもしれません。
それにも負けず、ひたすらお花だけ見つめて挿す、という「忍」のレッスンになります。
もちろん、それで出来上がるデザインは、あなたにとって、居心地が悪い感じがしたり、納得がいかないものだと思います。
でも、ひたすら挿してのレッスンを繰り返していくと、客観的な目で見た時に、作品の中に「こうしたい」という自分の無意識の意思に気づけるようになります。
自分の中にあった「無意識のデザイン」に気づけるようなれば、さらにフラットな目が育っていきます。
また、あなたとって「不快なデザイン」「居心地の悪いデザイン」に仕上がった作品を持ち帰り、しばらく飾ってみていると、だんだんと「これも悪くないかも」と思えてくるから不思議です。
そうなったとき、あなたのこれまでのパターン化されたデザイン以外のバランスがあなたの中に生まれている、ということになります。
これがにこはなの「花こころマスターコース」で言うところの「花なごみプラスレッスン」にあたります。
フラットな目ができたら、新しいデザインをインプットしていく
一度自分の中にある、基本のデザインを壊してフラットな目を手に入れたら、ここで新しいデザインを見たり、知識としてインプットしていきます。(花まなびレッスン)
にこはなの場合は、おうちにピッタリなサイズだったり、作風だったりを目標としている教室ですので、そういう作品を作れるようにするために必要な基本的なデザインとか知識などを授けています。
新しいデザインの引き出しが増えていくイメージですね。
この引き出しの数が多ければ多いほど、デザインの幅が広がっていくわけです。
いろいろな花材に出会ってデザインの引き出しをどんどん増やしていく
さらに、季節季節の様々な花材を使って、今回はこんな路線で、というお題の元に自由にデザインするというレッスンを積み重ねていくと、さらに引き出しが増えていきます。
ここまで来たら数稽古が大切です。
どんどん新しいデザインをインプットしていくと…
もともと持っていたデザインに加え、新しい引き出しから出したデザイン、そして、これまでの基本を身に着けたあなたが、目の前にあるお花とフラットな目で向き合った時に、まったく新しいデザインに出会えるかもしれません。
自分がこうしたいと思うデザインを作れる人になっていったときには、あなたはきっと、お花が好きでたまらない人になっているはず。
まとめ フラワーアレンジメントで自分の理想のデザインを作るのに必要なこと
なんとなくイメージできたでしょうか?
自分の頭になんとなく浮かぶ、「こんな作品を作りたいな」を現実化するには、さまざまな基礎的な事を頭と体にしっかりしみこませて、たくさんのデザインの引き出しを作っていくことがとにかく大切です。
これまでの自分のパターン化されたデザインから抜け出すためには、「この程度でいいか」を超えた「もっと上手なりたい」という気持ちをもって、いろいろな学びをする必要があります。
巷には「一日で出来る!」とか「簡単」などの魅惑的なキーワードがたくさん並んでいますが、一朝一夕で身につく事には限界があります。
逆に、時間をかけて体と脳に染みついていった技と知識は、そこからどんどん成長していくことはあっても、消えてしまうことはありません。
あなたもどうせなら、一生モノの趣味としてお花と向き合ってみてはいかがでしょうか。
お花にはそのぐらいの価値があると思います。